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トップメッセージ
20世紀から21世紀 
そして平成から令和へと
株式会社ダンク
代表取締役
井上 弘治

 20世紀から21世紀そして平成から令和へと、この会社は2つの世紀と元号を経験しながら25年の歴史を育んできました。まさに二つの時代のはざまを、「育む」ということばにふさわしく、慎重に繊細に歴史を重ねてきたように思います。

 それでは「歴史」とはなんでしょうか。科学的には歴史とは反復できない一回限りの時間のことだといわれています。はたして人間はいつの時代から歴史というものを意識するようになったのでしょうか。先達が残した事実やことばを集積し、組み立てているうちに、そのことが歴史なのだと考えるようになったのかも知れません。

 古くは、中国の『史記(司馬遷)』や日本では『日本書紀』などが有名ですが、それはその時の権力の正統性を表現したものに過ぎないし、どこか胡散臭さを感じます。そう考えると真実の意味での歴史の概念はいまだに完成されてない可能性さえあります。なぜなら断片化された一回限りの時間の事実を組み立てるという行為は、当然反省と省察をとおして行わなければならないからです。そうでなければ、いわゆる歴史のなかで人間が犯してきた数々の過ちの意味を証明できないからです。もちろん歴史認識と人間認識とは別物ではあるけれど、たとえば古典文学と村上春樹の表現の質の違いはそこに歴史認識というフィルターをとおした後の人間認識があるからなのです。

 わたしはこの会社が二つの時代のはざまを慎重に繊細に生きて歴史を作ってきたのだといいましたが、それはこの会社の仕事の質に由来しています。この会社の仕事は、あらゆる情報の散乱した断片を新たに集積し、その情報が本来持っている物語の骨組みと真実を発見することだからです。それには上質な編集力を要求されます。そして編集力を支える上質なコミュニケーション能力が必要とされます。

 おそらくこの会社は、いまだに完成されていないかも知れない、真実の歴史の概念を発見する可能性を秘めているのではないかと思います。

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